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[RACE REPORT]メジロチェスター、デビュー戦


いよいよ最後の章が紡がれはじめる

 最後の最後までマックにやられた気分だ。
 出走馬が確定してから自分の心にはいろんな思いが溢れていたが、マックにとっちゃ「そんなのおいらは知らないさ」と相変わらずのご様子。
 パドックに入場してきたメジロチェスターは若さ全開、パドックじゅうに響き渡るほど大きな声で鳴き続け、隙を見つけては立ち上がろうとする。おまけに僚馬メジロシールズがパドックでまさかの放馬。折からの冷たい雨と強風で写真撮影に苦慮する中、アクシデントが起きるわ、チェスターへの心配事は多いわで、マックっ仔にとって最後の新馬戦……などと感慨にふけるどころの騒ぎじゃない。
 落ち着き払って周回していた孫のヒカルハナミチとは大違い。
 マックから届いた最後の贈り物、やはり一筋縄ではいかなかった。


▲ ヒカルハナミチ

 馬場入場時もチェスター坊やの遊びは終わらない。頭を上げたり、泣いたり、鞍上の村田騎手の言うことに従う気配がない。すんなりと馬場入りを終わらせ、大人びた雰囲気を出して歩くヒカルハナミチと、輪乗りの最中も一頭だけ泣いてばかりのチェスター。二頭が同い年の馬とは思えず、こんな状態でレースに出すこと自体すら疑問に思ってしまった。
 スタート直前になっても一向に鳴きやまず、「こりゃやばい」と大惨敗も覚悟したが、不意に村田騎手がチェスターの顔をバチーン! とひっぱたく。チェスター、一瞬怯む。が、再び鳴き始め……もう一発バチーン!!
 ファインダーで覗きながら「てめぇー村田、うちのチェスターに何すんじゃ!!!怒怒怒怒怒怒怒怒怒」と怒りが充満しかけたが、チェスターの泣きはそれでピタリと止まった。

 レース前から幼さがあまりに目立ち、またメジロブリットのこともあり、レースを本当に心配したが、村田騎手の鉄拳制裁教育の成果もあったのか、実戦では競馬をきちんとしてくれた。スタートの出もまずまず、馬群の中でも嫌気を出さず、遅いペースでも引っ掛からず、直線も勝負どころで手応えがあやしくなった割にジワジワと脚を伸ばした。レース前の雰囲気を考えれば、6着でも十分前向きに捉えられる結果だろう。

 マックから届けられた最後のプレゼントも、また実に手がかかりそうだが、それもまた楽しい。雨の競馬場で苦労することも、敗戦を味わうことも、すべてマックと付き合っていなきゃ味わえないことだ。
 すべてを大切に受け止めながら、ぼくたちはまた信じる気持ちで声援を送り続けるだけ。
 泣いても笑っても、いずれ終演を迎える最終章の幕は上がったのだから。

2月27日中山6R メイクデビュー中山 芝2000m
メジロチェスター 村田一誠 11番人気6着
ヒカルハナミチ 蛯名正義 2番人気2着

[2010 02/27]

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